ごはんの調理は、お米に水を加え、加熱するだけのシンプルなもの。その単純なプロセスのひとつひとつに、「美味しさ」を極めるための奥義が隠されています。ここでは、順を追ってポイントをご紹介していきましょう。
■お米を量る
お米1合は約180mlです。炊飯器や米びつに付属しているカップは、ほとんどが1カップ=1合となっていますが、市販の料理用計量カップは200mlが基本なので、量り間違えのないように。量るときには、カップにお米を山盛りにすくい、手のひらで上をすり切るようにして量を整えます。カップの上限ギリギリまでお米を詰めるのがポイントです。
■研ぐ
お米を研ぐ際には、手首まで入る十分な深さと径のある大きめのボウルを用意。フッ素樹脂加工された内釜なら、直接お釜で研いでも大丈夫です。
研ぎ方の基本は、手早く洗うこと。お米は水分を吸収しやすいので、時間をかけるとぬか臭さが残ってしまいます。3分以内に研ぎ終えるのがベストです。
最初は、お米の表面についているぬかやゴミ・ホコリを取り除くため、多めの水で1〜2回軽くすすぎます。すすぎ水をお米が吸い込んでしまわないよう、手早く行うのがコツです。次は水をひたひたに注ぎ、軽くかき混ぜるようにして洗い、さらに水を足して研ぎます。このとき表面のうまみ層を削ってしまわないよう、軽く洗う程度にしておきましょう。これを2〜3回繰り返せば研ぐプロセスは終了。すすぎ水が多少白くにごっていても大丈夫です。
ボウルで研いだ場合は、軽く水切りし、そのまま内釜に移します。ざるなどで長時間水切りしてしまうと、米が割れてしまい、べたついたお米に炊き上がってしまうので注意が必要です。
■水加減をする
お米を研ぎ終えたら、正しく計量して水を加えます。適量は、お米の容積の1.2倍。かためのごはんに仕上げたいときはやや少なめに、やわらかめにしたいときはやや多めの水で微調整します。ただしマイコン付き炊飯器の場合は、炊き上がりのかたさを炊飯モードで設定できるので、水の量を加減する必要はありません。
水を正確に計量したら、お米の上から静かに注ぎましょう。炊飯器の内釜の水位線に合わせる場合は、必ず平らなところに置いて作業しましょう。
私たちがふだん食べているお米は、玄米から胚芽とぬかを取り除いたもの。でも表面にはまだ肌ぬかが残っています。お米を研ぎ洗いするのは、この肌ぬかを取るため。最近では、肌ぬかをあらかじめ除去した無洗米も人気です。無洗米の場合は、ふつうのお米より水を多め(1カップにつき大さじ1杯増)にして炊くのがコツです。
●炊飯器で炊く
次は「浸す」プロセスです。マイコン付き炊飯器なら、浸す時間もあらかじめ設定されていますから、そのままスイッチを入れるだけ。マイコンなし炊飯器の場合は、夏は30〜40分、冬は1時間を目安にお米を水に浸しておきます。
続く「蒸らす」プロセスも、マイコン付き炊飯器ならお任せでOK。それ以外の炊飯器の場合は、炊飯終了後、10分間ふたを取らずにそのまま蒸らしておきます。蒸らし上がったら、内釜のふちにぬらしたしゃもじを入れてひとまわりさせ、そこから天地を返して切るようにごはんをほぐしておきましょう。これで余分な水分が飛び、お米のべたつきもなくなります。
●お鍋で炊く
お米は、ふつうのお鍋でも炊くことができます。使うのはどんなお鍋でも構いませんが、美味しく炊き上げるためには、底厚のしっかりしたお鍋がいちばん。熱のまわりがよいほど水もよく沸騰し、お米の一粒一粒にまでしっかり熱が行きわたるからです。
お鍋で炊く場合にも、研ぎ方と水の量は炊飯器と同様です。お鍋に研いだお米と適量の水を入れたら、ふたをして中火にかけます。その後、蒸気が上がってきたら沸騰した合図。弱火にして、そのまま約15分間炊き続けます(お米3合の場合)。このとき、ふたが浮いてしまう場合は、上に重しを載せておきましょう。
蒸気が少なくなり、鍋肌からパチパチと音がしてきたら、最後にもう一度火を強め、中の蒸気を飛ばします。
火を止めて、ふたを取らずに10分間蒸らせば、炊きたてのお鍋ごはんのでき上がり。炊飯器の場合と同じように、ぬらしたしゃもじでほぐし、余分な水分を逃がして完了です。
●土鍋で炊く
香ばしいおこげが楽しめる、土鍋ごはん。遠赤外線効果の高い土鍋は、炊きむらのない美味しいごはんをつくるのに最適なお鍋です。最近ではごはん専用土鍋も登場し、土鍋ごはんはますますポピュラーに。炊飯器と比べれば手間はかかるものの、コツさえつかめば簡単です。ここではふつうの土鍋を例に、炊飯方法をご紹介しましょう。
研ぎ方や水の量、浸水時間は、炊飯器の場合と同様です。火加減は、最初から強火にかけるのがポイント。ふたの穴から勢いよく蒸気が出てきたら弱火にし、さらに約12〜15分間(お米3合の場合)炊き続けます。蒸気が落ち着き、なかからパチパチという音が聞こえるようになったら、一瞬火を強めてなかの蒸気を飛ばしてください。
火を止めて、ふたをしたまま約10分間蒸らせば、炊飯終了。しゃもじでざっくりとごはんをほぐしておきましょう。お米がふっくら炊き上がり、鍋底にほんのりおこげができていたら、大成功です。
■おひつに移す
炊き上がったごはんは、食卓に並べる前におひつに移しておくことをおすすめします。天然木のおひつは、余分な湿気を吸い取って蒸気を適度に逃がし、ごはんのべたつきを抑えてくれます。つまり、おかわりのときまで美味しさを保ってくれるのです。
また、おひつに移さず、お鍋や保温機能のついていない炊飯器に入れておく場合は、ふたと鍋(釜)の間にふきんをはさんでおきましょう。これで、ふたから水滴が落ちるのを防ぎ、蒸気によるごはんのべたつきも抑えられます。
●炊きたてごはんを冷凍に
ごはんを美味しいままで保存したいなら、冷凍しておくのがいちばんです。炊いたごはんがまだ熱いうちに、1食分ずつ薄い板状に小分けしてラップなどに包み、あら熱をとってから冷凍庫に入れます。ジッパー付きのポリ袋などを使う場合には、しっかりと空気を抜いておきましょう。最近では、ごはんの冷凍保存用に開発された、蒸気抜き穴付きのタッパーも市販されています。
冷凍しておけば、2〜3週間は保存可能。凍ったまま電子レンジにかければ、いつでも炊きたてのような味わいがよみがえります。
●お米を美味しく保存する
美味しいごはんは、美味しいお米から生まれます。お米の味と鮮度を保つためにも、保存方法には気を使いたいもの。お米は高い温度や湿気のある場所、においの強いもののそばに置くと、変質してしまいます。密閉容器に入れ、清潔な環境に保管することを心がけましょう。夏場は、冷蔵庫の野菜室などに保存する方法も有効です。
また生鮮品であるお米は、保存の方法にかかわらず、時間が経てば酸化し、味が落ちてしまいます。新鮮なうちに食べられるよう、精米年月日から数えて夏場は2週間、冬場は1カ月を目処に、食べきれる量をこまめに買うようにしましょう。
毎日の食卓をともにするごはん、炊き方や保存にも気を配り、美味しさをとことん追求しましょう。






